2012/08/10

Awakening Intuition From Food and Intuition 101, Volume 1(目覚めよ、直観 食べ物と直観101 ボリューム1)


Julia Ferre

ジュリア・フェレー

















イントロダクション
 誰もが直観をもって生まれてきます。それは初めて息をした時にはすでに備わっており、生涯を通じて冴えていきます。それは自然に備わった内なる知識と感情であり、正しい道筋を示すものです。それは、もって生まれた個人的、実践的、そして即効性のあるものです。直観を磨くことであなたの人生が豊かになり、思い通りの人生が送れるようになります。

 直観とは、満足の得られるものを見つけ出し、苦痛をもたらすものを避けるためのコンパスのようなものと言えます。その効用は幅広く、基本的ニーズの充足や生きることの喜びを見出すこと、有意義な人間関係の発見やキャリアの充足などにわたります。

 私たちが直観と考えるものの多くは学習行動(leaned behavior)と実際は言えます。例えば先日、蛇口から水をコップ一杯に注いでいた時です。部屋が薄暗かったこともあり、水が一杯になるのを目で見て確認することはできませんでしたが、それを感じ取り、コップから水が溢れる前に蛇口を止めることができました。これこそ直観だ、と最初は思いましたが、考えてみるとこれは学習行動だということに気づきました。これまで生きてきた人生の中でコップが一杯になるときの音の違いを学習し、この知識を頼りに今、蛇口を締めるのはいつが良いのかを判断していたのだと気づいたのです。別の例として、ある事やある人を直観的に好き・嫌いと言うとします。そうした感情は過去の物事・人物との関係や経験に基づいていることがよくあるのです。

 他方、直観とは試行錯誤を通じて向上し、連想を通じ磨かれるという私たちが生まれもった知性の一部でもあります。直観の物理的な表現は、本能や反射神経、睡眠・栄養・愛に対する欲求です。例えば、人間はある種の制約をもって生まれてきます。飲んだり、食べたり、眠ったり、他人と一緒にいることなどです。やがて、水や食べ物、安心できる場所や友人・家族などを見つけることを学び、それを蓄え、調理し、場所を確保し、人間関係を築いていくのです。この世界を理解するための感覚と私たちの案内役となる直観を活用することで、生存と繁栄のための様々な能力をさらに高めることができます。
 
直観と食物の相補性
 直観を理解し磨くうえで食べ物が有用である理由はいくつかあります。

1.    食べ物には普遍性があります。つまり、毎日食べなくてはいけないわけです。瞑想という直観を理解し磨く別の現実的な方法もありますが、食べるという行為は選択のしようがありません。特に、実践の機会が何度もあることを考えると、食べるという習慣的行為は直観を学ぶ有力な方法です。

2.    食べ物はユニークかつ個人的なものです。直観の学習にそれを取り入れることで学習主体の個々人が関心を持ちやすくなります。

3.    食べ物は生活の基礎です。私たちは生きるために食べ、そのおかげでやりたいことができ、豊かになっていきます。食べ物との基本的な関係を通して成り立つ態度と習慣がそのほかの生活領域において私たちの認識と行動に影響を与えるのです。

4.    食べ物は私たちの健康と感情に影響を及ぼします。反対に、肉体的健康は私たちの心の働き方に影響を与え、その一方で感情は私たちの考え方を特徴づけます。

5.    食べ物は健康、容姿、価値観と直接的な関係があります。現在、大勢の人が食べ物と自己認識に関する無秩序な常習や確固とした主義のない態度に悩んでいます。健康な食べ物や態度を知ること、直観が健康な選択を形成する方法を学ぶことは、食べ物を有意義に理解する基礎となります。

6.    食べ物と同様に直観は誰もが持っているものですし、意識的に活用することができます。食べ物と同じく直観も芸術に至る可能性があります。

7.    直観と食べ物は相補的です。直観を通じ健康的な食べ物を選び、その選択を通じ得られる健全な体、心、精神が直観力をさらに強めるのです。

 多くの人は健康的に食べたいと思っていますが、何を食べ、何を避けたらよいのかということについての無数の食事法や理論に晒されています。直観を通し満足の得られる食べ物が選択でき、自身を養える食事法を考えることができます。直観を活用することでこうしたこと(無数の食事法や理論)を把握・活用できるのです。

この本の活用法
 この本は「食べ物と直観101」のボリューム1です。この本で紹介するテクニックを活用することで、1)自分の中にもともと備わっている直観に気づき、2)自信を持って食べ物を選び調理することができるようになります。長い目で見たときの目的は、自身の欲求と嗜好を基礎に健康な習慣を身につけることにあります。

 この本には全部で42のレッスンが16レッスンの形で各章にテーマを掲げ設けられています。私はこのレッスンを1から42まで順番に学習するように勧めています。各章では食べ物との関係(選択、調理、消費にいたるまで)が学べるようになっています。質の高い食べ物や調理機器の選択の仕方だけでなく、調理のテクニックに関しても書かれています。レシピやメニューもあります。

 11レッスンずつ進め、1週間で1章学習できるようになっていますが、学習の仕方はそれぞれの人にお任せしています。休憩したい場合は章と章の間にとることをお勧めします。各レッスンはその前のレッスンの学習に基づいているため1日に1レッスン以上学習することや、各レッスンを飛ばして学習することはお勧めしていません。ベストを尽くしてください。やる気が大事なのであり、完璧は求めていません。

 ボリューム2ではさらに直観を磨くことができます。ボリューム2では引き続き直観を食べ物とそれを超えた領域にまであてはめ、多くのエクササイズと直観の7領域をさらに紹介・説明します。

 このレッスンを活用し自身の直観的な意識を高め、より健康になりましょう。ベジタリアン、マクロビオティック、ビーガン、など「食べ物で特色づけられた」人になることは今もこれからも期待していません。それでも、この本を活用することで今後一生、自身の欲求にかなった積極的な変化を統合することができるようになることを希望します。そうすることであなたの直観がしっかりと働くことになるのだと、私は考えます。

直観を取り戻す
 健康と直観には関連があります。痛み、病気、ストレスは安らぎへの探究心を駆り立てるものとなり、この衝動心こそ直観が働いていることを示すものです。健全な肉体であれば私たちは余計なことを考えず物事に集中でき、健康であれば直観を養うことは容易なのです。

 誰もが内なる気づきの兆候を感じていますが、その解釈の仕方を知らないでいます。あるいは、状況に応じ直観が妨げられることもあります。例えば次のような点が指摘できると思います。

1.    中毒は正確な内的気づきに干渉し、それを隠す

2.    幼少期の極端なトラウマが自らの内なる声を信じなくさせる

3.    ひどい裏切りにより他人や一般的な助言を聞かなくなる

4.    自然災害を回避すべきであった、あるいはもっと分別を持つべきであったという感覚のような想定および批評

5.    自分を疑うこと

6.    混乱と混沌をつねに生み出す感情・恐怖

7.    以前の状況に対する困惑

直観は誰しも自然に備わっているという前提からすれば、この本を読むことで読者は直観を全身で受け止めることになります。次の項目は直観を取り戻すためのいくつかの「処方箋」です。

1.    中毒を克服する。中毒は深刻な悩み問題であり、必要であれば有名な医者やセラピストからのカウンセリングを受けるべきです。この本の中では軽度の中毒に対する簡単な助言を提供していますが、深刻な中毒に対しては十分なケアを提供しているものではありません。

2.    自身を教育せよ。情報は心を向上させます。

3.    情報を応用するために行動せよ。理論的な理解と共に実践的な行動も必要です。

4.    健全な習慣を確立せよ。食べ物、肉体的運動、休息を含め基本的な欲求を満たす際のリズムと秩序を確立することが必須となります。

5.    安心と常識を可能な限り実行に移せ

6.    ポジティブになれ。可能な限り大きなポジティブ性をもちましょう。

7.    大局に立て。人生のポジティブな側面を養いましょう。

直観とは、いかにして自分が物事を正しく行っているのか、その確認を助ける生まれ持った能力だと思いますし、そうだと確信しています。地球上の誰もが物事を正しく行おうとしており、そのプロセスの背後には直観が働いていると思います。そのプロセスの中心に直観があるのです。

 直観によりあなたの人生が実り多いものとなり、肉体的な活力、感情的な安定、精神的な高潔、霊的な気づき、が高上することを願います。

レッスン9:意見(Claim
 あちこち意見だらけ!医者、政治家、教師、両親、作家、広告家、皆がこれは役に立つ、これは好ましい、これは一番だ、と主張しています。どうしたらその意見が真実だと思えるのでしょうか?

 真実とは普遍的なものであり、常に誰にでもあてはまることです。否定する人が誰もいないことです。例えば、人間が生きるためには水が必要だということは事実であり真実です。その一方、意見とは主観的なものです。先ほどの水に関して言うならば、水の種類や消費量、濾過装置の種類など様々な意見を述べることができます。湧水、山水、濾過水、イオン水などたくさんの種類の水とそれに対する意見が存在します。

 モノに対する意見以外にも経験に対するものも存在します。私の兄が高校でサッカー部に入っていました。ある暑い日の厳しい練習のあと、彼はチームの特大サイズの給水ボトルからコップ満杯の氷水をガブ飲みしたそうで、ひどくお腹を壊しました。彼は氷水のせいだと言い、クラブで激しく練習した後は絶対に氷水を飲まないことにしたようです。彼は私にも自分自身の経験をしきりに説明していました。
 
 意見の中にはまた聞きで伝わるものもあります。ある友人が二人の大人の水泳選手の話を立ち聞きしました。彼らは水泳選手の加水作用(ハイドレーション)について話しており、水中でも脱水すると話していました。片方の水泳選手はスポーツドリンクが身体を水和させると主張し、他方は煮沸水の方が効果があると主張していました。このことを別の友人に話すと、彼も似たような経験をしたことがあると言いました。彼は水を沸騰させ、冷まし、一日の間それを飲みました。煮沸水を飲むことで身体が水和し、吸収力が増し、夜中にトイレに行く必要がなくなったと言っていました。

 意見の多くは広告家がします。水濾過装置を宣伝している複数階層会社のミーティングに参加した際、ある講演者は、検死官が死体の解剖をした際、死体の内臓が脱水していることがよくあると発表していました。体重比で通常よりも水分が多い人であってもそのようなことが起こるそうです。彼は自分の製品が人間の身体を水和化する純水を提供することに優れていると主張していました。

 意見は余興の面があり、役に立つことがよくあり、感激することも時々あります。このレッスンのポイントは「これは本当なの?」ということにあるのではなく、「どう対処したらよいの?」ということにあります。
 ある意見を信じるかどうか、そしてそれに基づき行動するかどうかをどのように決めますか?その主張の根拠と自身が期待することを考えることも大切ですが、独学すること(製品やその価値について学ぶこと)も大切です。聞いた経験が自慢話にすぎないのか、何らかのメリットがあるのか注目してみましょう。ある主張が役に立つのはどんな時なのか、その見分け方を学ぶことに意義があります。

 教育を通じ自身が理解と評価を必要とする情報を得ることができます。練習を通じて見聞の広い選択をする際に必要とされる意識を高めることができます。初心者はまず主張を分析する方法から学びましょう。今回は水を使い練習します。

エクササイズ9:水についての意見を確証する方法
 このエクササイズを通じて水についての意見を確証することができます。エクササイズ8で行ったのと同様、水を一口含み、それを唾液と混ぜ合わせ、じっくりと味わってみてください。その香りとそれが与える満足感を感じてみてください。飲みこみ、胃がどう感じるのか、気持ちが良いかどうか、注意を向けてみてください。ただ感じるだけです。この水について何か特に感じることがあれば、それを受け入れることができるか考えてみてください。

 このエクササイズを他の水でも試してみてください。浄水器の水の代わりにペットボトルの水を飲むか、あるいは水道水の代わりに煮沸水を飲むか、安いペットボトル水でも大丈夫です。最初の水を味わったのと同じように2回目の水も味わってみてください。唾液と絡ませ、その味、満足感、口の中の感触を確かめてみてください。比較してみてどう感じますか?水の種類はいろいろなものを試してみてもよいです。特に気になった水や浄水システムに対して何か感じたときには特にそうしてみてください。

 このエクササイズは水にフォーカスしていますが、食べ物や製品についての他の意見を分析する際にも使えます。

要約:
 人生という旅では無数の意見に出くわします。毎日それに出会い、生きている間はずっとそうです。この本で私が伝えたいことは私がしていることをあなたにもしてほしいと言っているではありません。自分自身で物事を決めていけるような直観を発達させることにあります。意見は常に自分自身の周りにあって、それが自分に合っているのかを決定するのはあなた自身です。どんな意見であれ、それが納得のいくものかどうか評価するのはあなたの権利であり、責任であり、あなたの力が及ぶ範囲のことです。こうしたエクササイズがあなたの直観を磨くことになるのです。



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「Awakening Intuition From Food and Intuition 101, Volume 1(目覚めよ、直観 食べ物と直観101 ボリューム1)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。
GOMFの連絡先は下記となります。

E-mail:gomf@earthlink.net
英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。

http://www.ohsawamacrobiotics.com/index.php?page=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=190&category_id=11&option=com_virtuemart&Itemid=109